お年寄りをケアする介護業界は、これらかを期待されている職業です。それは、日本の高齢化はますます進む一方、それを介護する家庭や家族は減少しているという傾向があるためです。しかし、それほど重要視されている介護業界での就職を希望する方は多いとは言えません。

その理由としていくつか挙げることができます。まず、肉体を使う仕事だということです。身体の自由が無くなったお年寄りもいるため、介護は想像するよりはるかに肉体を使う仕事が多いです。また、肉体労働だけでなく、ケアしたことを書類にまとめるなどの事務もあります。介護の仕事では、肉体労働に加え、この事務作業をこなしていく能力も求められます。さらに、施設によっては夜勤を伴うこともあります。これも仕事を大変だと思わせている一因になっているでしょう。これだけの労力を必要とする仕事でありながら、賃金は他の業種と比較すると、まだまだ低めである事業所が多いのが現状です。

このように大変だと言われる介護業界を希望する人の志望動機に多いのは、人の役に立ちたい、困っている人を助けたいなど、優しさに重点を置いたものです。看護師や医師などの医療業界でも、この優しさを志望動機にする人は多いです。しかし、医療業界では自身が医療により助けられたことを理由にする方もいます。介護では自身が経験する機会が非常に少ないため、その分先ほど述べたような優しさを志望動機の主にすることが多くなります。この志望動機に優しさを持ってくることが多いのは介護業界の特色の一つでもあります。